コラム「ワイワイガヤガヤ日本語学校」が本になりました!

JANJANでコラム「ワイワイガヤガヤ日本語学校」を始めて2年の歳月が過ぎました。「チリも積もれば山となる」の言葉通り、その間に書いた記事は30余、留学生の投稿記事も17編となりました。そして今回、これらの記事を中心にして『ワイワイガヤガヤ 教師の目、留学生の声』が誕生しました。
コラム「ワイワイガヤガヤ日本語学校」が本になりました! |

それは、イーストウエストの活動を支えてくださっているご近所の「JANJAN愛読者」Aさんの次のような言葉がきっかけとなったのです。ワイワイガヤガヤ教師の目、留学生の声

「先生、私はいつもJANJANを読むのを楽しみにしています。これ、本になったらもっともっと大勢の人に、留学生のことを知ってもらえるんですけどねえ・・・・・・。留学生も喜びますよ。ぜひそうしてくださいネ」

増え続ける仕事に追われ、ますます寝る時間が少なくなってきた私ですが、「留学生の声を思いっきり発信しよう!」と、本にまとめ上げることにしました。

そもそも私が「JANJAN」に記事を書き始めたのは、JANJANスタッフの突然の来校がきっかけでした。

「私も留学生だったのでよく分かるんですが、留学生は日本でいろんな思いをしてますよね。まずは情報発信だと思います。いつでも、時間のある時で結構です。記事を書いていただけませんか」

確かにイーストウエスト日本語学校を訪れる多くの日本人が、それまで自分が持っていたイメージとの違いに驚き、新たな発見をして帰っていきます。20数年にわたり日本語学校という現場で留学生と接してきた者として、日本語学校側からの発信の少なさを痛切に感じていた時期でもありました。

「なぜ日本語学校は社会的認知を受けることが難しいのか」と嘆き合ったとて何も生まれるわけではありません。日常業務に埋没し、ひたすら走り続け「発信などに費やす時間はない」と叫んでも何一つ前に進んでいきません。私は、「気楽に書かせていただくこと」を条件にJANJANに記事を書き始めました。

コラムを担当してしばらく経ったある日、私は学習者に投稿を勧めてみました。「読み手を意識した文を書くこと」の大切さを知り、学習者が表現したいことを自由に表現し、ソトにむけて発信してほしいと思ったのです。留学生たちは、自分が書いた記事に対する読者からの温かいコメントに、さらに書く意欲を高めていきました。中には、エッセイ「人生の皿回し」から掌編小説「金魚」へと展開させていった留学生もいます。

本書は、2006年12月より2008年9月までJANJANのコラムで連載した記事と、留学生の投稿記事を収録しました。また、第二部として、留学生とのやり取りから生まれた「漢字はおもしろい!?」「留学生との体験を小噺&ジョークにしてみたら!?」を書き加えました。日本で学ぶ留学生たちの生き生きした姿、本音で語るさまざまな意見を文面でお伝えできたら幸いです。
本書の紹介を兼ねて、友人からのコメントを少し紹介させていただきます。

○ 留学生の本音もたくさん載っているし、日本語学校の中のこんなに豊かな世界を、ぜひ多くの人に知ってほしいと思いました。

○ 日本語教育現場の雰囲気が感じられ、そのうえ現場に生かすヒントがいろいろつかめそうな、一口で三度おいしそうな本ですね。

○ 社会の理解を広げる啓蒙書であると同時に、日本語教師にとっても疲れたときに元気づけられる書になっていますね。

○ 日本語教師という仕事のもつ魅力と問題点を、行政官を含め、多くの人々に知ってもらいたいと思いました。

○ 「みんなで創る多文化共生社会」という本の帯を見て、日本語教師をしていた時、さまざまな価値観、考え方を持った人たちと接していたことを思い出します。

また、昨日は知人の瀧口庸行さんから、巻紙でお手紙と歌を送って頂き、胸がいっぱいになりました。次にご紹介します。

日本に来て学ぶ学生達の真摯な姿に感動と共に、日本人である自分達の反省材料満載の記事に胸が痛む思いです。ロシアの留学生の「注意だらけのニッポン」には外国人の目のつけどころにおどろきと、我々がその事にマヒしてしまっている情けなさに一抹の淋しさを感じています。

イーストウエスト日本語学校生に贈る

外国(とつくに)の 若き力を 育くみて
行く路遥か ひかりさす道
瀧口庸行氏の巻紙

日本語学校の現場から発信した本書が、行政や教育に関わる人々はもちろんのこと、さまざまな人々に「留学生や外国人受入れ問題」を真剣に考えていただくきっかけになることを願っています。

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