「心のパスワード:張立夫の詩」が始まります

昨年10月、中国の遼寧省から日本に来た張立夫さんは詩を作ることが大好きで、子どもの時からよく詩を読んでいました。中学に入ってからは、自分自身で詩を書き始め、今では一番の趣味となりました。

歩いている時、お茶を飲んでいる時……、すてきな言葉が心に浮かんでくると、紙とボールペンを取り出して、書き始めます。中国にいる時は、もちろん中国語の詩でしたが、日本に来てからは、日本語で詩を書いたり、以前に書いた中国語の詩を翻訳したりするようになりました。

進路希望は「専門学校でアニメを学ぶこと」という張さんに理由を聞いてみたところ、こんな答えが返ってきました。

「詩、ドラマ、映画、小説、アニメ・・・・・・、表現方法にはいろいろありますが、私はアニメと詩が好きです。アニメの分かりやすいところと、詩の言葉の美しさを混ぜ合わせたら、どんなものができるか、作ってみたいと思います。だからアニメを勉強したいんです。そして、詩はずっと作り続けます」

 このたび、ホームページに「心のパスワード」というシリーズを立ち上げました。それは、張さんが作った詩のコーナーです。ぜひたくさんの方にお読みいただきたいと思います。「留学生の張さんが、何を感じ、何を思い、何を書こうとしているのか」、私は今からとても楽しみです。今日はシリーズ第1回の「微笑み そして進む」をご紹介して、「心のパスワード」の予告編と致します。

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「心のパスワード:張立夫の詩①」より

             微笑み そして進む  (張 立夫 : 中国・男性)

生活が立ち止まる時
こっそり抜け出した幸せ
まだ遠くない
だが そばの人は
もう 戻らない

光と影の足跡の中
青春の通りすがりの客は
相変わらず歩んで行く
記憶に残ったもの
灰色だけ

泣いた人に
何を言えば良いですか
大雨の一滴
君もかつて
誰の涙か

もしこれが生活なら
微笑み
そして 前に進む

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