骨髄移植推進キャンペーンミュージカル「明日への扉」

東京スクールオブミュージック専門学校のご招待で、イーストウエスト日本語学校の学生40人が「明日への扉」を見に出かけました。「明日への扉」は、骨 髄移植や骨髄バンク事業の現実を知った「滋慶学園グループ」の学生達が「自分たちにできることは何か」について話し合う中で生まれたミュージカルです。学 生達が企画・制作・出演し、1人でも多くの人に骨髄移植への理解を深めてほしいと1994年に開始され、今年第100回記念公演を迎えました。

「ゆうぽうとホール」のロビーにて

専門学校からのお迎え大型バスに乗った学生達は、「ゆうぽうとホール」に着くと、まずは舞台裏に連れていってもらいました。ミュージカルを支える舞台の 裏側を丁寧な説明付で見学するという体験は滅多にできるものではありません。このミュージカルを支える裏方さん、スタッフの人達、出演者のあまりの多さ に、みんな驚きました。

「わあ、すごい人数ですね。こんなに大勢の学生さんで、1つのミュージカルを作りあげているんだ!」

韓国のAさんは、「みんなで何かを作り上げていくことが上手な日本人の協調性」を改めて感じたと、わざわざ言いに来てくれました。大勢でワイワイガヤガ ヤやっているのですが、何かそこには「みんなで力を合わせていく雰囲気」、チームワークの良さを強く感じたのだと言います。それは、お祭りの時に、日本人 と一緒にお神輿を担いだ時と同じ気持ちなのだそうです。

そして、この1年間、綿密な計画に基づいてやってきたことを知り、またまた驚きました。韓国とはとても違うものを感じたAさんは、次のように語ってくれました。

「韓国では、舞台や撮影などでも、デッドラインぎりぎりになって、ダッシュするんです。先生、聞いたこと、あるでしょ。ドラマでも、収録ぎりぎりまで原 稿を直してて、時間ぎりぎりに現場に走りこむこと、よくあるんですよ。日本じゃ考えられないでしょ。でも、どっちがよくて、どっちが悪いじゃない。韓国の あのダッシュ間近の頑張りって、すごいですよ。情熱的っていうか……」

開演前の客席にて

いよいよミュージカルが始まりました。ストーリーを知らないで来た学生達も、ミュージカルを通して伝えようとしているメッセージを理解し、食い入るように観ています。立派な大ホールでの音の響きもすばらしく、1500人を超える観衆は、ぐいぐい引き込まれていきます。

こうして、あっという間に3時間の公演が終了しました。最後には、学生全員が舞台に集合。「こんなにも大勢の学生さんたちで、このミュージカルを作って きたんだ」と、留学生たちは改めてその大プロジェクトに感動。「僕たちも、日本で何かやりたいね」と語り合っていました。学生達の感想をいくつかご紹介し たいと思います。

○ 内容は全部は聞きとれませんが、自分の夢のために、さまざまな人たちが必死に頑張ってすごいと思いました。、悪いことがあってもあきらめないで、人生を生 きることが大切だと思いました。その上に、自分の1人だけではなくて、ほかの人たちもおたがいに愛したり、手伝ったら、もっといい世界になるだろうと思い ます。

○ すべて学生さんが作った舞台だと聞いて、びっくりしました。プロがいると思いま
ました。私は、作曲コース志望なので、音楽のことが気になりましたが、今日のビッグバンドの演奏は最高でした。ライブならではの豊かなサウンドを楽しむことができました。内容的にも、良いメッセージを伝えているので、この先もずっと続けるように願っています。

○ 白血病について考えたことがないので、「明日への扉」を見て、新しく考えてみる時間になりました。高校生の時、ある学生が白血病にかかって、学校で献血が 行われたことがありました。でも、私は献血ができなかったので、残念ながら何も役に立ちませんでした。でも、このようなミュージカルを通して、自分が好き なことをしながら、自分自身だけではなく、もっと多くの人々にメッセージを与えることがすばらしいと気づきました。

○ 「明日への扉」は本当にいろいろなことをもう一度考えてみるきっかけになりました。白血病にかかった主人公も、そのまわりのひとたちもみんなあきらめないで、自分たちの夢をかなうために頑張っていくこともすごく印象的でした。

○ 私も、子供のころから一つの夢を抱いて、今、日本まで来たんですけど、やっぱり人間は、夢や希望がないと生きていけないのじゃないかなと思いました。それ に、白血病のことにもちょっとぐらいは関心を持てるようになりました。白血病だけじゃなくて、全世界には、いろいろな病気で死んでいる人も多いですから、 速く医学が発展して、痛みなんかない日が来てほしいと思いました。

これからも、人と人とのつながりを大切にしながら、明日への扉を一つひとつ開きながら、夢に向かって進んでいってほしいと願いながら、学生達と別れました。

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