氷川神社例大祭でお神輿をかつぐ留学生たち

 秋晴れの9月20日、地元東中野にある氷川神社のお祭りがありました。氷川神社は、イーストウエスト日本語学校から5分の距離にある地元の神社です。毎年留学生の中から何人かがお神輿の担ぎ手として参加しています。今年は、ベルギーから来たジェレミさん、中国人の陳小華さん、ウクライナ人のマルガリタさんなど、8人の留学生が担ぎ手として参加することになりました。

お神輿を担ぐ留学生(撮影すべて筆者)


 当日は、地元から借りた法被を着て、大勢の日本人に混じってさっそうと進み始めました。しかし、2メートル近くあるロシアのサビックさんは、次第に肩が痛くなり、ふーふー言っていました。周りの日本人とはあまりに背丈が違うため、彼の肩にずっしりと重みがかかってしまうのです。留学生たちが参加したのは、地元の宮二町会のお神輿です。決して大きなお神輿ではありませんが、地元の方々が「宮二町集会所」で大切に保管してきたお神輿です。

 しばらくして交代した留学生は、地元の方々が次々にくださる食べ物、飲み物に感動。ワッショイワッショイと掛け声をかけながら担いだあとのビールは、さぞかし美味しかったことでしょう。

 「痛くなかった?」「どこから来たの?」「日本、どれぐらい?」と、地元の方々に次々に質問を浴びせかけられ、嬉しかったと留学生たちは口々に語ってくれました。これこそ教室で習った日本語を、実際に使ってみる良いチャンスなのですから……。陳さんは、こう感想を述べてくれました。

 「先生、中国にもこんな祭りあります。子どものころは、よく行きました。でも、私の町は、今は、子ども少なくなったから、あまり行かない。だから、こんなにぎやかじゃない。日本人は、みんな喜んで参加していますね。いいですね」

 中国といっても祭りの姿はさまざまだと思いますが、日本人やクラスメートとお神輿を担ぎながら、中国での生活、中国で過ごした幼い日を思い出していたのでしょう。陳さんは「また機会があったら、お神輿やりたい」と言いながら、帰っていきました。

お神輿を担ぐ留学生


 ジェレミさんは、「ホント日本人といっしょにお神輿かついで、楽しかった!休み時間にもどんどん食べ物や飲み物を勧めてくれて、うれしかった。私は『日本酒ありますか』って、頼みました。おいしかった!」と大喜び。

 「先生、こうやって体を使うイベントっていいですね。ベルギーにはありません。みんなでいっしょに一つのことをするために、体を動かすっていうのは、仲良くなる一番の道ですね」とはジェレミさんの感想です。実は、ジェレミさんは昨年に引き続き2度目のお祭り参加。去年お祭りが終わってすぐ、「来年も参加したいです!」と、今日のこの日を待ちわびていたのです。

地域の人と力を合わせ、ワッショイ、ワッショイ!


 氷川神社は、長元3年(1030年)に源頼信が平忠常の乱を征討する際に、埼玉県大宮の氷川神社の神霊を分けて祠を建てたのが起源とされています。旧中野村の鎮守社としてできた氷川神社は、長い歳月を経て、今も地元の人々に親しまれているのです。毎年「ちびっこ祭り(今年は8月30日実施)」も開催され、地元の子ども達の交流の場ともなっています。

 来年も大勢の留学生たちが法被を着て、ワッショイワッショイ町内を練り歩いてくれることを願っています。

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