真の異文化交流とは?(2)異文化交流問題

投稿者 ナターシャ(ロシア)イーストウエスト日本語学校
2008年1月9日投稿

 EW(イーストウエスト日本語学校の略)の授業の中で行われる日本の大学生との交流の中で、私たち留学生は日本人の大学生といろいろなテーマについて話すことができました。しかし、ディスカッションのときに日本人大学生の意見の述べ方に、少し理解できないことがありました。

 どうしてでしょうか。それぞれの国にはその国の交流の仕方があると思います。だから、時々外国人と話していると、分かりにくいことが起こるのだと思います。もちろん、考え方や意見の述べ方の違いもあると思います。

 例えば、ロシアでは仕事中に社長に何か依頼する場合には、すぐにはっきりと自分がやって欲しいことを言ったほうがいいのです。もし、相手に気を使って説明を長くしたら、忙しい社長を怒らせてしまう恐れがあるからです。日本の場合は、もし依頼したいことを単刀直入に切り出すと、すごく失礼になる場合があると聞きました。

 ディスカッションのときはどうでしょうか。ロシアでは、相手が誰でも直接自分の意見をはっきりと言います。ロシアには「激論のときに真理が生まれる」ということわざがあります。

 つまり、もし話し相手の意見が自分の意見と全く違っていた場合、お互いに、徹底的に自分の意見を論証するのです。それをすることによって、お互いの意見が磨かれて、よりよい結論が生まれたり、思ってもいなかったような名案が出てきたりするからです。ですから、話し相手の意見が自分の意見と違っていると、議論は面白くなると思います。

 ディスカッションの目的は、よりよい結論を出すことです。自分の意見を述べたとき、相手に誤解されることもありますし、はっきりと述べることで相手を傷つけることもあるかも知れません。しかし、それは恐れることではなく、むしろ当然起こることだと考えるべきだと思います。お互いに、よりよい結論を出そうという姿勢で話し合うことによって、それらは解決できると思います。

 日本には、自分の意見と相手の意見が違うとき、一旦相手の意見を認めてから「しかし、こんな問題がある」と反論するというやり方はありますが、それは形式的で、徹底的に論証するという姿勢が足りないと思います。当たり障りのない表現で、うまくまとめようとするのではなく、もっと真剣に意見を戦わすことができたら、私たち留学生は、日本の大学生と真の交流ができ、もっとよい友だちになれると思います。

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