『囲炉裏の暖かさ』(なでしこ作文コンテスト 最優秀賞)

2011年度「なでしこ作文コンテスト」最優秀賞 「囲炉裏の暖かさ」(徐 明珠)

     「なでしこ作文」の説明は、こちらをご覧ください。
      「交流活動をテーマに、『なでしこ作文コンテスト』」http://nihongohiroba.com/?p=141

囲炉裏の暖かさ

 昨年10月1日から2日までの日程で世界文化遺産の一つである御箇山というところに行って来たことがありました。そのプログラムはJTB旅行社が「日本の観光地を世界に紹介しませんか」というタイトルで主催されたことでした。御箇山を代表する料理を食べたり、さまざまな文化を体験したり、合掌造りに泊まるなど体験をしてから感じたことを外国人に紹介するため必要な資料を作ることでした。

わくわくしながら朝早く新幹線に乗って行ったところは富山県。そのところでは「和紙まつり」が行われていました。東京から遠いところにありましたが、すぐ疲労が消えるぐらいの新しい風景にびっくりしました。そのところで和紙を直接、手で作ったり、こきりこという楽器で踊り継がれた民謡を観たり、また、栃餅つき大会でも参加しました。こきりこという楽器は始めて見ましたが、その音がおもしろかったです。うるさくないテンポで、軽快なリズム。自分も知らないうちに自ら踊っていることを感じました。体験している間に、知らないことがあると、村の住民の方たちがやさしい言葉で説明してくださって理解しやすかったです。人々の情が感じられました。

日が暮れる前、いよいよ今までずっと待ってきたところ、御箇山の合掌造り集落と会えました。その村に足を踏み込んだ瞬間、その雰囲気に圧倒されました。なぜなら、村の家はだいたい築100年から200年、もっと古いものは400年前に建造されました。そのこともすごいことですが、長い時間その家を管理して保存されたことに感動させられたからです。

私が泊まったところは築200年になっていた、温和で気品がただようおかみさんが運営している民宿でした。夕飯はおかみさんが直接栽培している野菜と直接取った川魚で作ってくださった料理でした。その味は素朴、でも派手な、他のところでは食べられない味で料理の一つ一つに真心を尽くしたおかみさんの心が感じられました。私たちは囲炉裏を囲んでおいしい夕食を食べてからお茶を飲みながら、自分の話を取り交わしました。皆、初めて会った人々でも年来の知己のように打ち解けて話し合いました。

私の夢が旅館のおかみさんになることです。それで、今回の旅行を通じて、多くの勉強になりました。泊まったところから感じられる雰囲気とか、おかみさんの人に対する心構えとか、小さいものでも感じられている細心な心づかいまで。私の夢にもっと一歩、進んでいた気持ちでした。

自然環境に合うように変形された独特の形の家屋と美しい風景、そして、何よりも自分たちの伝統を維持して発展させようとする努力に感動させられました。機会があったら、家族ともう一度旅行したいという気がしました。

 

 

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