台湾の元留学生が語る「人の縁の大切さ」

エイミーさんと台北101で

エイミーさんと台北101で

「先生、私、すばらしい縁で、すばらしい仕事のチャンスができました。本当に尊敬できる日本の人達と、一緒に仕事をすることになったんです。これも日本語を勉強していたお陰です」

台北で久しぶりに会った卒業生のエイミーさん(周珊羽さん)は、目を輝かせながら、ある新聞を見せてくれました。それは、7月6日朝刊に載った<台湾に現地法人設立へ―井上税務会計事務所 企業進出後押しー>(北海道新聞)、<台湾進出企業を支援―井上税務会計事務所―>(日本経済新聞)という記事でした。http://www.inoue-tax.jp/kokusai/news.php?i=838

エイミーさんからもらった新聞記事を手にして

エイミーさんからもらった新聞記事を手にして

エイミーさんは、2001年の4月にイーストウエスト日本語学校で3カ月日本語を学びました。短期コースだったので、日本にいられる時間は限られています。そんな彼女は、少しでも日本のことを知りたい、日本の人と出会いたいと、実に意欲的に動いていました。

3カ月の勉強が終わって台北に戻ってからは、製薬会社の営業、病院で秘書、通訳等をしていましたが、その間も日本語を学ぶことの面白さを忘れることができず、ずっと日本語の勉強を続けていました。台北にある大学で単位クラスを3年間続け、その後大学の「在職班」に入学し、1年間の日本留学を経て、卒業。去年9月には大学院にも入学しました。

そんな彼女は、「いつかは日本語を使って、日本とビジネスをしたい。台湾と日本との友好関係に役立つような仕事をしたい」と思っていました。そこに舞い込んできた井上税務会計事務所のスタッフとしてお仕事をするというチャンスでした。5年前に出会った方とのご縁が、どうしてこんな「繋がり」になったのか、台北101のレストラン「欣葉(シンイェ)」でのおしゃべりをもとに、記して

エイミーさん、「101」のように高く、元気に伸びて!

エイミーさん、「101」のように高く、元気に伸びて!

みたいと思います。

   ♪   ♪   ♪

■どうして日本語の勉強を始めたんですか?

 それは、亡くなった父との約束です。1920年代に生まれた父は、日本語が上手でした。また、仕事上、日本人のお客様が多く、小さい時、よく日本の人と接していました。だから、「いつかは日本に留学したい」「いつかお父さんと一緒に日本語でおしゃべりをしたい」、そんな気持ちをずっと持っていました。「日本語を学ぶということ」は、父との約束でもあるんです。

■どんなきっかけで井上税務会計事務所の方と知り合ったんですか?

 2007年12月、台北で日本人ビジネスマンの通訳をしました。それは、知り合いの通訳の方が忙しいので、私にやってほしいと回ってきた仕事でした。その時、とても信用してくださって、たった1日でしたが、気持ちが繋がったというか、なんだか親のような気持ちがしたんです。そのあと、井上さんにもお会いしましたが、井上さんは一人の留学生として、私をとても可愛がってくださいました。家族のような気持ちでした。私は何もできませんから、台湾名物のマンゴーを送ったり、メールのやり取りをしたりしていました。

 

■今度、一緒にビジネスを・・・というのはどうして?

「台北101」の説明

「台北101」の説明

 事務所は、台湾でビジネスをしたいと考えていたそうですが、それがやっと形になったところで、私に話がきました。お会いして数年経って、こんな事が生まれるとは思ってもいませんでした。外国人である私を心から信用してくれたことがとても嬉しいし、ビジネスの舞台を作ってくれたことも本当に感謝です。この恩は絶対忘れません。

■これからの夢は?

 こんなチャンスをくださったことに感謝して、誠心誠意、がんばります。それから、仕事だけじゃなくて、台湾と日本との友好のために、意味のあることをしたいと思います。私の両親はもう亡くなりました。癌で亡くなった母は53歳でした。だから、人生いつ終わるかわからない。できることを、精いっぱいやっていきます。

■若い人へのメッセージをひと言。

 何でも誠実にやることが大切だと思います。すぐ損か得かって考える人もいますが、私は一度もそういうことを考えたことはありません。人、仲間、出会った人を大切にしてきました。人脈を大切にしていると、どんどんいろいろなことが繋がっていきます。

人脈は一生の宝物ですよね。今の仕事も人脈が私に与えてくれたものです。でも、人脈を作るのはとても時間がかかります。それを一つひとつやっていくことが大切です。それから、人間を磨くこと、かな。

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私は、卒業後何年か経って、エイミーさんの相談に乗っている時に、「本当に大変だったのねえ。映画みたいに、いろんなことがあって・・・。それでもこれだけ前向きに頑張ってきたんだから、きっと素晴らしいことが待っているわよ」と言ったことがありました。そんな彼女が手にした「幸せ」だけに、嬉しくてなりませんでした。

「先生、10年間、私を精神的に支えてくれて、ありがとうございました。これからもがんばります!!」、そういうエイミーさんの晴れやかな顔を見ながら、「ああ、日本語教師という仕事は、なんとやりがいのある仕事なんだろう!」と改めて思いました。世界中で活躍する教え子達。私も彼らに負けないように、これからも前を向いて、頑張っていくことに致しましょう。

台北101展望台から

台北101展望台から

井上税務会計事務所  http://inoue-tax.jp/

井上税務会計事務所国際部  http://www.inoue-tax.jp/kokusai/

スタッフの写真 http://www.inoue-tax.jp/kokusai/news.php?d=201205&p=3

 

 

 

 

 

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