第2位「私たちの明るい未来」(オレーシャさん)

第二位のオレーシャさん

第二位のオレーシャさん

みなさん、こんにちは。これから私たちに将来起こる「私たちの明るい未来」についてお話ししたいと思います。

最近、ニュースで日本の政府が日本で永住権を取った外国人に地方参政権を与えるかどうかという問題が話題になりました。その問題を知って、わたしは日本人とはどんな人なのだろうと考えさせられました。

例えば、両親は日本で永住権を取った外国人で、日本で生まれ、日本で育ち、ずっと日本に住んでいる人を日本人はやはり外国人だと思うのでしょうか。また、外国で生まれ、日本に留学し、日本人と結婚し、日本国籍を取った人を日本人は日本人と思っているのでしょうか。そのような人たちを日本人と考えるかどうかは人によって意見は様々でしょう。

一般に日本人とは日本の国籍を持っている人だと定義されますが、日本国籍を持っていることだけで、日本人と呼ぶのは単純すぎると私は思っています。この定義だと、アメリカやブラジルなどに移民している日系人は日本人とはみなされないからです。

現在、グローバル化された世界の中で、国と国を移動することは容易になっています。世界が国際化されればされるほど、国と国とを分ける国境とは何だろうと考えてしまいます。さきほど、話した人たちのように、日本人の定義にあてはまらない日本人は今後増えてくるのではないでしょうか。なぜなら、人の移動が現在ほど自由にできる時代はないからです。

日本でも同じようにいろいろな国から日本に集まった人々が仕事をし、生活をしています。だから、日本に来て日本に住みたい人にとって、日本は住みよいところであり、すでに日本の市民だという自覚を持っているかもしれません。私たちは交通機関と通信手段の発達により、一つの国で仕事をし、生活しているのではなく、いろいろな国で仕事ができ、いろいろな国の人と交流ができます。自分の国の人ではなく、外国の人と恋に落ち、結婚することさえ珍しくありません。そうなると、日本人という定義も変わってくるのではないでしょうか。

そこで、私のスピーチのタイトル「私たちの明るい未来」に注目してください。この意味は「日本の市民になれること」、つまり、日本にいる外国人たちが、「日本の市民」とみなされ、日本の地域社会に参加し、いろいろなことに将来に関わっていけることを意味します。皆さん、実は今週の週末、この近くでお祭りがあるんですが、そのお祭りに参加した友達によると、「初めて、日本人と一緒になれたという気持ちでとてもいい経験をした」と言っていました。私の明るい未来というのはそのように「日本人と一緒になれた、日本人と一緒に何かできた!」という明るい未来を考えています。そういった明るい未来を形作ることができたらどんなにいいだろうと思っています。

オレーシャさんと眞柄先生と

オレーシャさんと眞柄先生と

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