店長様?! 怖かったバイト先の店長を大好きになったわけとは・・・

これは、2009年7月にイーストウエスト日本語学校で行われたスピーチコンテスト午前の部の入賞作品です。

投稿者 林廷垠(韓国)イーストウエスト日本語学校
2009年8月1日投稿

スピーチ前の「クラスの人の応援(1分間)」漫才に会場は沸きました。

 私は日本に来てからいろんないい人たちに出会って本当によかったと思っています。特に一番感謝したい人はバイト先の店長です。

 昨年10月、日本に来たばかりだったので、あまり日本語ができなかった私を店長は働かせてくれました。でも店長の第一印象はとても怖くて、言葉づかいも乱暴だったので、とにかく最初は声をかけることも難しかったのです。

 ところが、ある日、私の考えが変わる事件が起きました。まだ仕事に慣れてなかったので、何枚かの皿を落として割ってしまったのです。とても慌ててただ「すみません。ごめんなさい」と言うしかできませんでした。

 そのとき、店長が私のそばに来ました。私、殺される? 殴られる? と思って緊張していたんですけれど、店長は意外に優しい声で、「大丈夫、大丈夫、これらは全部割るためにあるのだ」と言いながら、1枚の皿をわざと割りました。絶対に叱られると思っていた私は本当に感動してしまったのです。この小さな事件がきっかけで店長の温かい心遣いが分かりました。

楽しそうにスピーチをするイム(林廷垠)さん

 今、バイトしている店は新宿ルミネの中にあるので、とても忙しくて、仕事も大変ですけれど、店長はいつも冗談といたずらで私たちのストレスを解消させてくれています。お客さんとのトラブルがあっても私たちのことを守ってくれるし、何か事情ができたら父親のように面倒を見てくれます。

 一緒にバイトしていたお兄さんの出席率が低くて大学に入れないとき、学校まで訪ねて行って、教師と相談してくれたおかげで、お兄さんは無事に入学することができました。まるで小説とか漫画に登場するような人物なので、私たちは冗談で「店長様」と呼んでいます。

 そして、私は店長といろんないい人たちの支えで、1年くらいの日本の生活を楽しんでいます。いつか店長と別れるときが来るでしょう。でも今までの恩恵と温かい心は絶対忘れられないと思います。

 私も誰かの人生の中で、忘れられない人になりたいと思っています!

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