『できる日本語初級 わたしの文法ノート』(凡人社)が出来ました!

 『できる日本語』シリーズの副教材のトップバッター『わたしの文法ノート』がついに完成しました。これは著者達が、イーストウエスト日本語学校で何年も授業で使ってきたものです。学習者の反応を見ながら、手を入れ、改良を加えてきました。

 学習項目を自分で整理し、復習することができる教材とし、場面や状況にそって日本語を運用する力をつけることを目指しています。各課の学習項目や行動目標は『できる日本語初級 本冊』のシラバスに準拠していますが、さまざまな初級教科書を使って学んでいる方々にも活用していただけるように出来ています。

 一般的に、文法整理のための練習帳は、単純練習が多かったり、意味のない作文などがあったりするため、面白みにかけることが多いように思われます。そこで、次のような点に配慮しました。

○学習者の自律的な学びを支える
○学習者のやる気を引き出す
○やりながら運用力をつけることができる
○他者とのやり取りに繋げることができる

                                                                                                                                                                                   本書は、「ポイントチェック」から入り、まず自分の弱点発見から始めます。そして、3段階で練習を進められるよう、タスクに変化をつけています。また、自分で考えられるよう、キューを文字で与えるのではなく、イラストを豊富に使いました(もちろん学習者、教育機関によって使い方はさまざまですが・・・・・)

 既に、使ってみた先生、手に取った先生からコメントを頂いています。幾つかご紹介しましょう。

 ○早速授業で使ってみました。虫食い問題や穴埋め問題だけでは面白くないという学生達も、自分自身で考えて、文章を作ることに快感を覚えているようです。

○学習者が自分の「できる」をたくさん書けるようになっている点が、とてもよいと思いました。

○項目ごとの復習、適切さや正確さを意識しながら、学習項目を組み合わせて練習、最後に自分で「行動目標を達成できるかどうか」を見るなど、段階を踏んでいるので、使いやすいと思いました。

 次のシリーズ副教材は、『できる日本語初級 イラストデータCD-ROM & 教え方ガイド』(アルク)、出版は10月20日前後を予定しています。さらに、『できる日本語 初中級』(アルク)は、来年3月に出る予定です。続々刊行予定の『できる日本語』シリーズ、どうぞお楽しみに!!

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 【名前の由来】
みんなで「どんな名前にしようか」と、幾つもの候補の中から話し合いで決めたのが、『わたしの文法ノート』です。1人ずつ学び方が違い、知識の多寡、弱点、強み、すべて人それぞれ。また、自律的かつ自立的に学べる練習帳を・・・ということで、「わたしの文法・・・」としました。練習帳ではなく「ノート」としたのは、“note” は名詞にも動詞にも使われ、さまざまな意味を含みますが、動詞“note”には「気づく」という意味があります。そこで、『わたしの文法ノート』と命名しました。

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