11月29日、5月から7月にかけてイーストウエスト日本語学校で教育実習をした大学4年生の難波さんから、次のようなメールが届きました。
♪ ♪ ♪ ♪ ♪
先日私は、宮城県の石巻にボランティアに行ってきました。少しずつ復興をし始めたものの、最近メディアでは報道されることが減ってきて、ボランティアの数が減少しています。実際私が現地に行ってみるとまだまだボランティアの手を必要とし、また被災者は自立をして次のステップに踏み出すことに不安を抱いているのが現状です。
私が所属しているNPO法人め組JAPAN では今心温まるメッセージカードを募集しています。例えば「楽しいクリスマスが迎えられますように」とか 「東京から応援しています」とか「一緒に頑張りましょう」といった、被災者に寄り添うようなメッセージ一言を募集しています。このようなメッセージカードをイーストウエストの学習者のみなさんに書いていただくことは出来ますか?
このメッセージをあげる対象は子供~大人まで全世代対象です。書くものは、メッセージカードでもいいですし、もしよろしければ私がワードでクリスマスの絵を挿入したプリントを作りそれに書いていただいてもOKです。
イーストウエストの学習者のみなさんにご協力いただくことは出来ますか?
♪ ♪ ♪ ♪ ♪
もちろん私は即、「良い企画ですね! 私がカードを作って、明日留学生に呼びかけます」と返事を出しました。あれこれクリスマス用の無料イラストを探し出し、楽しそうなクリスマスカードを作りました。さらに、「みんな、石巻がどこにあるかはっきり分かったほうがメッセージが書きやすいのでは?」と、東北地方と宮城県の地図も用意することにしました。
こうして迎えた翌日の朝礼。先生方はみな大賛成。休み時間になると、次々に留学生達のメッセージが書かれたカードが私の手元に届きました。いくつかカードに書かれたメッセージをご紹介しましょう。
■石巻のみなさん、こんにちは。私は台湾から来ました。留学生です。実は、台湾で10年前に大きな地震もありました。その時、みんな本当に大変で、疲れました。でも、みんな家のために一緒に頑張りました。だから、石巻のみんなもぜひ頑張ってください。もう12月ですね。寒くなってきたので、身体にきをつけてくださいね。
■雨が降った後は晴れます。この世に止まない雨はありません。それと同じく絶望の後にはきっと希望がやってきます。
いつか、心の底から笑い合える日が来るその日まで、「生きたよ」と誇らしく言えるその日まで。がんばってくださいね。
■こんにんちは。私は韓国から来た○○と申します。ときどきテレビで石巻について見ています。冬になってだんだん寒くなっているので、みなさん、大丈夫かな、心配しています。
私、何も手伝うことができなくて、ここでメッセージだけ送ってすみません。私は韓国人だけどほんとうにみなさんを応援しています。がんばって前の生活にもどれるようにいのっています。
■こんにちは。私は中国から来た〇〇と申します。私は7月に東松島へボランティアしました。真実を見ると、心が苦しかったです。
今の私、日本語を勉強しつつ、バイトもしなければならないですが、でも、石巻のみなさんの生活は、私よりもっと大変でしょう。では、一緒にがんばりましょう!
■こんにちは、みなさん
私は今、日本語学校で留学している〇〇と申します。私は東京で住んでいますが、いろいろなニュースとか、新聞をとおしてみなさんの消息を聞いています。聞くたびにみなさんがどのくらい大変か、心が痛みます。みなさん大変でもがんばってください。すべてみなさんを応援しています。
■こんにちは。韓国から日本に来て勉強している学生です。
韓国ではこんな有名なことばがあります。“塞翁之馬”。日本にもあると思いますが、悪いことがあったらいいこともある(来る?)意味です。
まだ大変かもしれないんですけれど、もうすぐうれしいこともあると私は信じています。みなさん、頑張って!!!
■神様は乗り越えられる困難しか与えないので、皆で支え合って協力すれば、絶対乗り越えます! あなたは一人じゃなくて、元気を出して、頑張ってください!
私達も応援していますから!
頑張ろう! 石巻の皆様!
■「あなたは一人ではないです」と覚えてほしいです。
日本のそばにいる国々があるから、一緒に乗り越えられます。
楽しいクリスマス、そしていいお正月を。
■心の中で
希望は
ろうそくの光だ
一本の小さいパッチを擦ると
光は人々もあたため込める
一緒に頑張りましょう。
■こんにちは。私は韓国の留学生で、来年大学院を目指し、現在イーストウエスト日本語学校で勉強している〇〇です。今度の東日本大震災があり、毎日の生活や勉強など本当に大変だと思いますが、この頃はどうお過ごしですか。一日でもはやく復興し、より安全で、気楽に生活できるように祈っております。
“朝が来ない夜はない” という言葉があるように、それぞれの夢に向かって、希望を持ってあきらめないでください。
最後までお互いに頑張りましょうね。
風邪などひかれませんように祈ります。
石巻の人を想い、町を思って詩を作った留学生もいました。
◇◆◇ さよなら 昨日 ◇◆◇
生活が立ち上がる時
こっそり抜け出した時間に
さよなら
時钟の針が再び動き始める時
変れずにいられなかったものに
さよなら
不安や悲しみで胸がいっぱいの時
目を閉ざさないように
いとしい町に
さよなら
同じ大空の下で
希望の光は
明日を照らす
イーストウエスト日本語学校には、ゴールデンウィークや夏休みにボランティアに行った留学生が何人もいます。同じ所に2度続けてボランティアに出かけ、「本当はもっといたいし、もっと何回も行きたいんですけど」と十分に支援活動ができないことを残念がっている人もいます。
3日間で集まったカードは、102枚(月曜日に11枚追加されて、手渡しできたのは最終的に113枚となりました)。来週またボランティアに行く難波さんが現地の方々に届けてくださることになっています。少しでも「みんなが被災地の人々を応援しているんだ」「何か出来ることがあったら伝えてほしい」ということが伝わってほしいと思いながら、カードを袋に詰めました。