ここへ来たときと今と変わったこと(劉 潔蓉:台湾・女性)

 

 <嶋田メッセージ>

   今日の午後、劉さんが作文を持ってやってきました。「先生、これ、今の私の気持ちです。もしかみんなに役に立つことがあったら、使ってください。私は、日本に来て、すごく変わりましたから」と言いながら、作文を見せてくれたのです。来てすぐは、緊張感があった劉さんも、次第に日本社会に溶け込み、1年で帰国することを決めたことを日本人の友だちに告げると、「国に帰るの、本当なの。どうしてもっと日本にいないの。日本にもっと住んだらいいのに!」と、みんなに延長を勧められたそうです。でも、「1年だけと両親と約束したから・・・」と、彼女は、来月には台北に向け、出発することになっています。

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          ここへ来たときと今と変わったこと(劉 潔蓉:台湾・女性)

 皆にシェアしたいことは、日本に来てから、東京について考え方を変えられたことです。

 日本へ来たとき、大部分の皆と同じく、日本語が全然わかりませんでした。以前に、日本へ来たこともないし、東京に関することもわかりませんでした。そのときの衝撃は言葉では形容できないくらいです。

 最初の半年、毎日両親に「私は帰りたい」と言ったり、「ここの人は何を考えてるの、よくわからない」とか「どうして女性たちは化粧を毎日しなければ、出かけられないのか」とか「どうして皆は魂がないみたいに、ただ体を動かしているのか?」

 ときどき、ばかばかしいことをしたりしました。例えば、そのとき唯一知っていたバーは家と学校の途中にありました。よくそこで、バーのオーナーに質問して「どうして東京人は冷たいんですか」って。その一瞬、全ての人は私を見ていました。本当に恥ずかしかったです。

 しかし、最初、東京のことが大嫌いだった私、今は全然逆の考えが起きました。今、振り返ると、そのときの私は東京のことについて、ただ外見の浅いところしか見ていませんでした。

 今、東京で、いろいろな国の友達ができました。特に、日本人の友達もいっぱいいますから、現在の東京のこと、一人一人の観点を中心に、この国際化された都市のことをよく考え直しました。

 もちろん、この国際化された都市で過ごして、つらいことやへこたれる日々があるのは当たり前のことでしょう。でも、だからこそ、快適な生活とか毎日精一杯生きていることで、心の満足を追いかけられるのではないでしょうか。

 今、私にとって日本はかっこいい国として、世界の中で総合力の強さと美しさ、豊富な文化として映っています。

 そして、東京人は冷たいのではなくて、ただ、本当の友達になるのに時間がかかります。外国人と留学生はここにたくさんいますが、日本人は冷たい冷たいと文句を言う前に、自分の方から、どんなふうに仲良くしようと考えたことがありますか?日本人からぬくもりをもらった私は、いつでも何が与えられるかと考えていました。

 私の日本人の友達の年齢層は10歳から80歳までです。皆に、いろいろな日本の知識を学んだり、地域の情報をもらったり、皆から教えてもらいました。もっとも好きなことばは「優しくなければ生きている意味がない。さらに、タフでなければ生きていけない」です。

 いよいよ私は今月末、帰国します。帰ったあとで、もっと日本と日本人の友達のことをわかるように、日本語の勉強を進めるつもりです。今、東京で一年間の生活を振り返れば、私にとってここでの生活はもう十分だ、いい一年だったと思います。

 

 

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