昨年12月にイーストウエスト日本語学校の句会のことをお伝えし、選句をお願い致しました。ホームページ、フェイスブック、メーリングリストなどを通して、いろいろな方にご協力頂くことができました。ご近所の方々は、「今年も楽しみに待ってましたよ」といつものように温かい言葉を頂き、地域に根づいた日本語学校であることを改めて実感しました。皆さま、ご協力、ありがとうございました!!
結果は、以下のとおりです(今年は、12月21日の年末パーティーの時に表彰式を行いました)。http://www.eastwest.ac.jp/eastwest/community/community_sub01.asp
・「俳句コンテスト表彰式」 ・「クラスで俳句をつくりました」(2012.12.25)
【選句結果】
第一席 我が心 紅葉散って 星見える (韓国・男性)
第二席 落ち葉見て 緑枯れしも 梨うまし(韓国・女性)
第三席 寒蝉の 最後の叫び 冬招く (中国・女性)
枯れた藤 秋の夕焼け 寂しいな (中国・男性)
今年の表彰式の時期、私はちょうどソウルに出張していたため、入賞した留学生の声を聞くことができませんでした。しかし、今日イーストウエストの先生方を通して、彼らの「生の声」を聞くことができました。
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■第1席 我が心 紅葉散って 星見える
Cさんの話によると、日本に来る前、韓国で大学を卒業したけどいろいろなことがあって大変だったそうです。そんな中で日本に来ることがCさんの希望となりました。そして、今ここ、日本で勉強しています。「紅葉」というのは、いろいろあった過去のこと。そして、「星」は日本に来ることの希望なのだと、Cさんは伝えてくれました。
■第2席 落ち葉見て 緑枯れしも 梨うまし
Kさんは色と水に気をつけて、俳句を考えたそうです。秋になると、緑色だった葉っぱに水分がなくなり、枯れてしまい落ち葉になってしまいます。でも、葉っぱには水がなくなっても、梨の実には水分がいっぱい入っている。そのことを感じながら食べる梨は本当においしいと感じる、そんな気持ちを詠んだそうです。
■第3席 寒蝉の 最後の叫び 冬招く
Eさんは夏から秋の初めにかけてアルバイトに行く途中で、蝉の鳴き声をよく聞いたそうです。秋が深くなって涼しくなって蝉は少なくなったけれど、まだ鳴いている蝉がいたので、その鳴き声を最後の叫びだなって思ったそうです。冬は季節の冬と言うより、すべてが眠るところという意味だそうです。
■第3席 枯れた籐 秋の夕焼け 寂しいな
季語に「枯れた藤」と言うのは珍しいので、そのことをIさんに聞いたところ、俳句を作るとき、12世紀の中国の詩人(辛棄疾)の詩が頭に浮かんだそうです。能力はあるのに出世の機会に恵まれなかった人の孤独の気持ちを歌った詩とのことです。その言葉の一部の「枯れた藤」を入れてこの俳句を作りました。