「日本人の情」(2012年度 なでしこ作文 優秀賞)

 (2012年度 なでしこ作文 優秀賞) 

日本人の情  金 延珍(韓国・女性)

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私は日本に来る前、決心したことがいくつかありましたが、その一つが‘積極的に交流活動をすること’でした。幸いなことに日本語学校に入学してから学校のおかげで多様な経験をすることができました。‘風の会’という日本人のボランティアの方と話し合う会にも出でいろいろな面白い話しをしたし、私が住んでいる区内で行われた交流会にも参加して日本人と他の外国人と会って楽しみました。文化の違いを感じたところもありましたが、かえってそこから面白さを覚えられました。この1年、このような活動で多くの貴い思い出を作りました。しかし、私にとって1番だった活動はホームステイでした。

今年の冬、友達の紹介で静岡というところにホームステイに行って来ました。とても貴重な体験をしました。その家に到着してすぐ感じたのが、‘今の時代にもこういう風景の家があったんだ!’でした。その家の外観のことではなくて、家の雰囲気のためでした。近隣と親戚皆その家に集まって、飲んだり食べたり団欒な時間を過ごしていました。また、いつも玄関のドアが開いていて、いつでも近隣が遊びに来られるようになっていました。しかも、その家に入る人たちは皆‘ただいま’といいました。面白くて衝撃でしたが、同時に心が暖かくなりました。昔にはこんなことが珍しくなかったかもしれませんが、今はそうではないので、驚きました。さまざまな国から来て日本語も上手ではなかった私たちにその家の親戚や近隣の方々はすごく親しく、暖かくしてくれました。そこには、特に韓国の文化に興味があっていろいろ聞いてくれた人もいって喜ばしかったものです。その家のお母さん、お祖母さん、お祖父さんもまるで自分の家族のように感じられてさびしくないお正月を過ごせました。結局、私は予定よりあと三日もお世話になってしまいました。日本人であろうと外国人であろうと皆楽しく迎えたお正月がいつも思い出します。もう夏休みにも静岡に行くとお祖母さんと約束しました。

普通、韓国人の日本人に対するイメージは‘日本人は冷静だ’とか‘表と裏が違う‘ということです。だが、実際に日本に来て見たら、そういう人はほとんどなかったのです。私は日本にも家族ができたようでうれしいです。これからの日本での生活も今までのようになってほしいです。

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