横浜市鶴見区で活動する「NPO法人こんにちは・国際交流の会」でボランティア研修会(4月23日)をすることになり、16日に事前打ち合わせに行ってきました。そこで5人のコアメンバーの方々から、まず「グループの活動」「日本語教室」についてのご説明がありました。わかりやすくまとめられた資料、ニューズレターなどを提示しながら、熱く語る皆さんの姿を見て、「この団体の活動を外に向けて発信しよう」と考えました。
「NPOこんにちは・国際交流の会」は、「日本語教室事業」「国際交流事業」「国際理解事業」の3本柱で運営されています。http://www.konnichiwa.org/ ちょっと活動をご紹介したいと思います。
【イベント】
ホームページにある「2012年度の活動記録」を見ると、実に多様な活動をしていることが分かります。
・一品持ち寄りパーティー
参加者がお国自慢料理を一品ずつ持
ち寄り、交流する。
・茶道体験
日本の文化・風習に触れ、地域の
人々と交流する。
・バス研修旅行
バス旅行を通して、日本の文化・風習に触れてもらう。
・外国人のための防災教室
学習者が学習成果を発表したり、ゲームやクイズを楽しんだりして交流する。また、鶴見消
防署のご協力で「防災教室」を開催し、地震や救急の時の対応を勉強する。
・バザー
一品持ち寄りパーティーで同時開催する。
・着物体験
日本の着物を楽しみ日本文化に触れてもらう。
・国際理解講座
身近なテーマを取り上げて多文化共生のまちづくりのための勉強会をする。
【ニューズレター】
・2013年1月11日発行の「こんにちは58号」が最新ニュースレター。
(http://www.konnichiwa.org/letter/index.html) 1月、5月、9月の年3回発行。
【日本語教室】
■以前からオリジナル教材で!
19年前に作られたオリジナル教材。それに何度も手を加えながら、今も使用しているのだそうです。もちろんそのためには、常に市販のさまざまな教材を見ておくことも大切。そこで、『できる日本語』にも出会い、その考え方を授業の中に取り入れながら、日本語教室をやっていらっしゃるとのことでした。
■場面を中心に!
なかなか「はじめに文型ありき」から抜けられずにいる地域日本語教室が多い中で、この団体は、設立当初から「日本語教室で大切なのは、文型なんかじゃない。まずは場面を大切にした授業を!」ということで、オリジナル教材を作ることになったのだそうです。日常会話を中心に、「緊急電話の応答練習」「ゴミの分別/粗大ゴミへの対応」といった実生活で重要なことを取り上げて、教室を組み立てているそうです。
■そのクラス・学習者に合わせて準備!
毎回、ボランティアさんが授業の流れを考え、シートも準備しています。ただし、これは担当者だけではなく、出てきたものをみんなで意見交換しながら、作り上げていくのだそうです。そこでは、「到達目標/主要学習項目/新出語彙/注意点/進め方のポイント」などを確認していきます。
■「共に学び、教え合うこと」を大切に!
みんなで何となく「協働」というのではなく、初めて入った人にも負担がないよう、コーチングシステムを取っています。「コーチング」とは、ちょっと固いイメージの言葉ですが、それぞれが経験を生かして、みんなで高め合っていこうという考えで運営しているのだそうです。
■とはいえ、課題も……
毎回オリジナルプリントを……となると、ボランティアさんの負担も大変です。それをいかに効率よく、楽しいものにするかが今後の課題です。また、どんなに良いプリントを作成しても、授業の中でのやり取りが充実したものにならなければなりません。そのために何をすればいいのか。どういう姿勢で臨めばいいのか。それこそが最も大切なことなのだと思います。
最後にメンバーの方のお話をお伝えしたいと思います。
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◆この鶴見の町には、世界中の国々からきたたくさんの外国の方が住んでいらっしゃるんですよ。出身国は、時代とともに変わっていきますが……。その人達が、『ああ、日本に来てよかった。この鶴見で暮らすことができて良かった』と言ってくれるような、そんな町にしたいと心から願っています。
◆東日本大地震があったのは金曜日。夕方から日本語教室がある日だったんです。あんなに大変な揺れで、このあたりは停電になったのに、金曜日担当のボランティアさんは、みんな教室にやって来たんですよ。教室に学習者の人が来たら大変だから……って。あの日の思いは忘れられませんね。
◆日本語教室で勉強したい人は、増え続けています。教室がたりないので、クラスをこれ以上増やすこともできず……。クラスによってはかなり大人数のところもありますし、受入れきれずに、取りあえずプライベートレッスンにしたりして凌いでいる状況です。
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これまで地域日本語教室は、たくさんのボランティアの方々に支えられて、やってきました。しかし、そうしたたくさんの素晴らしい「点」が「線」になって繋がっていかないことを残念に思います。「点」が「線」になり、「線」が「面」になって、有機的に関係することで、より広い活動に深化・進化していくには、まずは情報発信が求められます。これからもいろいろな現場を取材し、発信していくことが大切なのだと、改めて思いながら鶴見を後にしました。
<「日本に来てよかったな」「鶴見に住んでよかったな」と思ってほしい!>・・・・・・本当にそうですね!!