日本のお母さんと韓国の子ども達、チュンチョン(春川)で大集合

チュンチョンで大集合

静岡県焼津にある国際交流団体「黒潮」で20年以上もホームステイで留学生を受け入れてきた松永裕代さんが、「日本の子供たちの手紙と写真」をたくさん持って、イーストウエスト日本語学校を訪問してくださいました。なんと、以前松永家にホームステイをした大勢の「松永家の<韓国の子どもたち>」が毎月積み立てをして、今回の「チュンチョン(春川)でのペンション大集合」を企画したのです。集まったのは、「韓国の子どもたち」にその家族を入れると、30人以上にもなりました。ホストファミリーとして日本から参加したのは、松永家の4人、そして同じくホストファミリーをしている原崎夫妻です。

日本語学校で知り合ったカップル、子どもと一緒に参加

焼津のホームステイでは留学生を「家族の一員」として迎えることが大前提となっています。「みなさんは今日から家族の1人として暮らしてください。そして、ホームステイが終わってからも、<日本の実家>としていつでも連絡して、帰ってきてください」という言葉を聞いて、ホームステイが始まります。こんな関係だからこそ、10年経っても、20年経っても、「ただいまあ~~~!」と<焼津の実家>を訪れる子どもたちが大勢いるのです。
今回の「ペンション大集合」は、そんな日本の家族への恩返しの1つでした。松永家のおばあちゃまは足が悪いので、車椅子での韓国行きとなりました。でも、介護士をしている次女の匡代さんが付いているので、何も心配要りません。こうして冬ソナのチュンチョンでの「大集合」が始まりました。

松永家を思い出しながら、ペンションで乾杯!

イーストウエスト日本語学校では、毎年夏休みとお正月に焼津ホームステイを実施しています。たくさんの留学生が希望をしますが、受け入れ家族には限りがあります。そこで抽選をし、クジに当たった人だけが参加することができるのです。このホームステイを通して、これまでの寮生活では経験できなかったこと、東京では味わうことができない地方での生活を体験し、ある「心のより所」を得て東京に戻ってきます。裕代さんは、ホームステイのコツについてこう語ってくれました。

「おばあちゃん、私の子どもです!」

「留学生が家族になることですね。お客さんじゃないんです。それから、受け入れ側も愛情を持って受け入れること。「無償の愛」っていうんですかね。それから、終わってからも連絡を取り合うこと。私は、全員の「ウチの子どもたち」にクリスマスカードを送ります。でも、何年も返事が来ない場合には、一旦そこでストップします。でも、ふらっと10年ぶりにあちらから連絡が来ることもありますけどね」

私は彼女に「留学生をホストファミリーとして受け入れ続けていて、どんな点が良かったか」という質問を投げかけてみました。

◆ 3人の子どもたちが「世界中から来た<ウチの子どもたち>」から大きな影響を受けました。人間関係に幅ができました。閉鎖的な面がないというか、広い目で見られるようになったと思います。どんな国の人でも受け入れられる、違和感がないっていうんでしょうか。

◆ 私自身が変わりました。「辛いなあ」と思うことがあっても、「留学生はもっと大変なんだ」と思うと、勇気が出てきました。ある「子ども」がこう言ったんです。「お母さん、狭いマンションだと空間が狭くて、圧迫されている感じ。それに言葉の壁があって、なんか気がふさぐことがある。でも、焼津の実家に帰ると、ほっとするんですよ。<家に帰ってきた!>っていう感じで……」こんな言葉を聞くと嬉しくてエネルギーが沸いてきますよ。

最後に、裕代さんがお土産として届けてくれた留学生の手紙の一部を紹介します。

■ ♪♪ Aさんの手紙 ♪♪
嶋田先生へ
先生、お久しぶりです。お元気ですか?
私は今韓国で生命保険会社に勤めています。全く日本語を使ってない所なので漢字は忘れているし、久しぶりに日本語で字を書くのも難しいですね。今回、韓国で焼津の家族を招待して、ソウルからちょっと離れている所のペンションを借り皆と楽しい時間を過ごしています。こんな素晴らしい人達に出会って本当に幸せだと思っています。
これはイーストウエスト日本語学校のお陰さまです。これからも留学生だちに良い機会を与えて下さい。
先生もいつか韓国で会えたらいいなあと思います。今度出張で韓国に来たら、ぜひ私達に連絡して下さい。

■ ♪♪ Bさんの手紙 ♪♪
「なんだよ。話が違うじゃないですか。11時間打ち合わせをしたあげく、喧嘩で会議が終わりました」
日本の企業に勤めながら韓国の企業と打ち合わせをする時によくあることですが、一番大きな問題は相手を知らずに自分のことしか考えていない無知が原因になることが多いです。その度に、自分がもう少し頑張れば解決できたのにと、後悔したりしている○○です。
嶋田先生お元気ですか? 今も現役で頑張っていますか? きっと先生のことですから、元気な声で頑張っていると思います。韓国にいらっしゃったら、連絡くださいね。それではお元気で。

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