『日本語教育でつくる社会―私たちの見取り図』がついに出ました!!


「『日本語教育でつくる社会』というタイトルからどんな内容を想像されるでしょうか。
「著者:日本語教育政策マスタープラン研究会」となると、「う~~~ん、ちょっと固い本かな?」と思われたでしょうか。いえいえ、この本は出来るだけ多くの方々に読んでいただきたいという思いを込め、分かりやすく簡潔に、日本語教育という切り口で「今起こっていること/これからの社会のあり方」について考えたものです。

今、日本では全人口の1.74%、約220万人の定住外国人が暮らしています。ビジネス関係者もいれば、研修で来ている人もいます。また、親の仕事の都合で海外からやって来た子ども達や日本で生まれた子ども達も大勢います。そういった人々の中には、十分な日本語学習をする機会もなく過ごしている人達もいます。しかし、何年もの間さまざまな形で指摘されてきたものの、なかなか改善されることなく、今日に至っています。

そこで、私たち日本語教育政策マスタープラン研究会では、1冊の本を出し、日本語教育に従事する人達だけではなく、広く一般の方々にも現状を知り、共に考え、行動していただきたいと考えました。詳しい説明は省略します。まずは本を手に取って、関心のある章のページをめくってみてください。きっと「これまで知らなかった多様なモノ」にたくさん気づくことができることでしょう。

ここで「日本語教育振興法案の骨子例」の項目と章立てを記します。8の「日本語使用者」とは外国人学習者だけではなく日本人生徒・学生、市民を含む日本語使用者をも含んでいます。日本語が母語である方々もちょっと立ち止まって、自分自身のコミュニケーション力について考えてみていただけませんか。

◆「日本語教育振興法案の骨子例」◆
日本語教育学会「日本語教育振興法法制化ワーキンググループ」編

1. 国内外の日本語教育全般を振興する基本方針を策定する。
2. 日本語教育政策全般にかかわるシンクタンク機能を持つ「国立日本語教育研究所(仮称)を設置する。
3. 在住外国人の言語学習権を保障する。
4. 地域日本語教育を公的に保障する。
5. 自治体が実施する日本語教育体制の整備を国が情報・財政の面から支援する。
6. 公的役割を担う日本語教育の実施機関に財政支援をする。
7. 公教育における外国人児童・生徒に対して日本語教育を保障する。
8. 日本語使用者のコミュニケーション力向上を促進する。
9. 海外における日本語教育環境および日本語学習環境の一層の充実を図る。
参照:サイト「日本語教育のビジョンと法律」
http://www.houseika2012.net/wordpress/

◆章立て
第1章 外国人と共に生きる社会―なぜ「日本語教育振興法」が必要か
第2章 地域日本語教育システム(1)―コーディネーターと地域日本語教育専門家
第3章 地域日本語教育システム(2)―地域日本語教育センター
第4章 日本語教育政策のマスタープランと国立日本語教育研究所
第5章 義務教育のあり方と日本語教育―教育基本法・教員免許制度
第6章 言葉にかかわる権利を考える―言語学習権(日本語・母語)
第7章 日本人と日本社会に対する日本語教育の貢献
第8章 年少者(児童・生徒)に対する日本語教育
第9章 企業・大学・行政・地域をつなぐ日本語教育
第10章 地域力を育む日本語学校
座談会 日本語教育には何ができるのか
―より開かれたマスタープランの構築を目指して
田中克彦・池田香代子・今村和宏・木村哲也

<著者>
今村和宏・門倉正美・木村哲也・嶋田和子・新矢麻紀子・
野山広・平高史也・宮崎里司・山田泉

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